アドホックモード

アドホックモード(ad hoc mode)とは、無線LANの動作方式のことで、各端末に備えられた無線LANアダプタ同士が直接データのやり取りを行う通信形態のことを言う。

無線LANとは、いわゆるルータのことである。ルータは通常、自身の持つアクセスポイント(AP)という機能を使い、アダプタと交信して情報のやりとりを行う。他のアダプタも同様である。しかし、アドホックモードでは、このアクセスポイントを通さず、アダプタ同士が直接通信する訳である。

パソコンでは互いを交信できる範囲(距離)に置いて、アダプタにつけるESSIDの名前を同じものにすることでアドホックモードによる交信が可能となる。この方式では原則、三台以上のパソコンでデータのやりとりを行うことはできない。また、Windows10では、GUI操作ではアドホックモードにできないようで、「netsh」コマンドを使って設定を行う。

ゲーム機などでも複数人でプレイする際に、アドホックモードという概念が使われる。呼び方はゲーム機によって異なるが、PS VitaやPSPなどがあげられる。無線LANでいうアドホックモードとは少し仕組みが違うようで、こちらは複数人に対応している。

また、厳密なアドホックモードとは少し異なるようにも思うが、マルチホップ通信というのもある。こちらは、端末そのものが中継機の機能をもっており、中継機のリレーによって長距離交信を実現している。

ちなみに、Wi-Fi Directはアドホックモードと似ており、1対1でやりとりができる。これに対応しているスマホ(androidやiphone)、タブレット、パソコン、デジタルカメラ、ネットオーディオ機器、プリンタ、BDレコーダー、テレビなどが対象だ。今後拡大が見込まれる。

尚、アドホックモードの反対の概念は、インフラストラクチャーモードと呼ばれる通信方式である。こちらはアクセスポイントを経由する。アクセスポイントはネットワークを統括する機能を持つため、これがインフラストラクチャーモードとアドホックモードの異なる点である。

アドホックモードの意味を簡潔に説明すると

端末同士が直接通信する形態のこと。