ばるくひん/バルク品
業者向けに製造されたバルク品も、個人向けに製造されたものも、性能面ではほとんど一緒である。特定PC用に作られたパーツなどは若干の差があるかも知れないが。大きく異なるのは包装の仕方で、業者向けのバルク品は簡易なものとなる。簡易包装では、外箱、マニュアル、同梱品、メーカー保証などが含まれないことが多い。また、一般には、ビニールに入れられただけの質素なものがほとんどである。
事業者向けというのは、パソコンメーカー向けということである。いわゆるメーカー製のパソコンのことだ。PCメーカーの工場などでは、CPUやハードディスク、メモリ、マザーボード、ビデオカード(グラフィックボード)、電源ユニット、ケースなどに綺麗な梱包やマニュアルなどは必要ない。むしろ邪魔になるだけである。なぜかというと、これらのパーツ(部品)の取り付けはパターン化されているため、説明書やマニュアルなどはいらないし、梱包が綺麗だと、取り出すのに面倒となる。そのため、ビニールに入れられた簡易なものが多くなっているのだ。
バルク品は本来、パソコンに組み込まれて、メーカー製パソコンとして売りに出される予定のものである。それが何故ばら売りになるのかというと、パソコンの製造企業が大量購入して、予測していた必要数が外れて数が余ってしまったというケースが考えられる。また、パーツメーカーがPC製造メーカーから大量注文を受けてパーツを作ったものの、キャンセルされてしまったというケースなども考えられる。こういった時に、バルク品が一般市場に出てきて、安値でばら売りされるという訳である。
バルク品と異なり、通常のパッケージで販売されているものはリテール品と呼ばれている。こちらは個人向けに製造されているタイプだ。リテール商品のパッケージを捨てたり失くしたりした状態で売られるものはバルク品ではない。また、コスト削減のために簡易パッケージを採用したリテール商品も流通しているが、これはバルク品に似ているだけであってバルク品ではない。PCメーカー向けにロット販売されたものがバルク品である。
現在では自作パソコンという人気は低迷し、企業の在庫管理も厳しくなったようで、ゲーム機などでも使われるハードディスクなどを除いて、バルク品の流通は少なくなっているようである。