マザーボード
マザーボードは、PC内部において十数本前後のネジで固定し、これにCPUをはじめ、ハードディスク(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)、メインメモリ、光学ドライブ(CD-ROM、CD-RW、DVD-ROM、ブルーレイコンボドライブ、DVDスーパーマルチなど)、グラフィックボード(グラボやビデオカードとも)、電源ユニットなどを各種コネクターで接続している。
他にも、マザーボードに拡張スロットが搭載されていれば、各種拡張カードが差し込まれている場合がある。パソコンショップや自作パソコンのユーザは、この拡張スロットにパーツをくっつけることが多い。
これらのデバイスを制御するBIOS(バイオス)と呼ばれる基礎プログラムは、マザーボードに備え付けられている。電池で記憶しているため、古くなると時間や設定などがリセットされてしまうこともある。また、BIOSではオーバークロックによって性能を上げることもできるが、あまり劇的な上昇は見られないようだ。スペックにこだわるのなら、初めからハイスペックのコンピュータを選んだほうが、おすすめ。
マザーボードを使って自作
自作PCを作る上で一番最初にやるのが、PCケースの内部にマザーボードをネジ止めすることである。もちろん、ケースの蓋を開けて、軽く汚れを取ったりすることもあるが。
次に、おそらく電源スイッチやUSBなどのコードをマザーボードの対応している部分に差込むといった手順が多いのではなかろうか。次いで電源コード。このコネクターをマザーボードに幾つかつなげる。
そして、CPUを搭載。CPUファンはマニュアル通りすれば良いが、水冷ファンだと、ケースの幅に入りにくいこともある。その場合、少々無理やりにでも押し込んでセットアップ。筆者はそうした。
その次は、メインメモリだろうか。これをマザーボードで対応しているスロットに、用意した数だけ差し込む。それが終われば、ハードディスクや光学ドライブを接続。
最後は多分、グラフィックボードだろうか。理由は先にくっつけてしまうと、他のパーツがマザーボードにつなげにくくなるから。
人によって手順は異なるだろうが、自作パソコンの手順は、ざっとこんなものである。慣れたら、自分のやりやすいようにやっても構わない。もちろん、自己責任であるが。
あと、昔はパーツどうしの相性が合わないなどの理由で、作ってもパソコンが動かないなんてことも良くあった。時代と共に品質もよくなり、こういった不具合は過去の話になりつつある。
ちなみに、PCに搭載できるコンポーネント(部品)は、マザーボードによって決まる。これはCPUの性能やメモリ容量、そしてAGPやPCI Expressといった差込める拡張ボードの種類などに影響を与える。すなわち、マザーボード(厳密にはチップセット)の性能によってコンピュータの性能も決まるわけだ。
自分で作った場合のメリットは、マザーボードの故障による交換も自分で出来る点。バルク品や中古などでも可能。しかし、上記の通り、他のコンポーネントのスペックに合わせなければならない。
また、ケースには、フルタワー、ミドルタワー、ミニタワー、スリムタワー、キューブといったサイズの区分がある。これに対しマザーボードには、ATXやMicro ATX、Mini ITXといった規格がある。基本的にはこれらの規格に沿うようにしたほうがよい。ただ、ATXであればMicro ATXが入るなど、大は小を兼ねるといった傾向もある。
マザーボードによっては、グラフィックカードを二枚以上差してグラフィック処理能力をアップさせられるSLIを搭載しているものがある。SLIがついてなければ、二枚のグラフィックカードを差しても意味が無い。ただ、能力がアップするといっても設定できる上限値以上に画質が良くなるわけではなく、あくまでゲームなどの動きのある動画において処理がアップするというものである。
これは、フレームレートの問題で、グラフィックボードやディスプレイのリフレッシュレートと、動画ファイル或いはゲームなどのソフトウェアのフレームレートが、同じかそれ以上のものでなければ効果はない。ゲーム機とモニターとの関係も同じである。リフレッシュレートとフレームレートは大抵同じ値になるため、設定の目安になる。
マザーボードによっては、このグラフィック機能がオンボードで装備されているものがある。かつてのサウンドカードやLANカードが外付けから初期装備に変化したように、オンボードでもそこそこの能力がある。
尚、別名ではロジックボードやメインボード、システムボードとも呼ばれている。MBと略称されることも。