アーキテクチャ
アーキテクチャは、もともと建築の様式のことを指していた。英語では、建築や構造などを意味する言葉である。建築とは、建物を作るうえで発生する計画や設計、それを使うまでに生じるプロセス全体を指す言葉でもある。
このような構造物は人間が誕生して以来、古い歴史を持つ。家にしても橋にしても構造物である。アーキテクチャという用語は、時代が流れるとともに様々な分野で使われ、様々な解釈がされているが、一定の定義はやはり建築を原点にするものではないだろうか。
人間の歴史を考えると、少し前まではコンピュータというそのものが存在しなかった。存在しないのにIT業界でアーキテクチャという言葉が使われることもないはずである。しかし、建築物は古くから存在した。時代の流れとともに様々な分野で使われ出したアーキテクチャであるからこそ、その解釈はあらゆる分野で概念として利用されるようになったのだと考えられる。
例えばビジネスでもアーキテクチャということがある。どちらかと言えば、それぞれの業界によって知らないうちに定義されて、それが組織によって意味合いが異なる、なんてことも発生しているのが実情である。
ITの業界でも、コンピュータそのものやCPU(プロセッサ)メモリ、ハードディスクといったコンポーネント(部品)などの物理的なハードウェア、そしてミドルウェアやモジュールなどのプログラム、或いはソフトウェアといったものがどのように関わっているのか、その全体の構造を指すものとして、アーキテクチャという用語がよく使われる。
つまり、アーキテクチャは、建築様式からはじまった考え方の抽象的概念(他の状況でも利用できる共通部分の考え方)が、様々な分野において頻繁に用いられるようになり、その結果、色んな分野で色んな定義がされている言葉であるということができる。