ブイラム/VRAM
データをある所から別の所へ移動させる際、通常は転送の遅延が発生する。メモリやキャッシュという概念は、基本的にはこの転送が遅れるのを分からないようにするために考えられたシステムである。VRAMも記憶領域のことである。
転送時に起点からのデータをメモリに蓄積して、ワンクッション置くことで、データのある部分の移動が滞っても、あらかじめメモリに蓄えられた他のデータが順番に送り出され、終点に辿り着く。
この場合、そもそも起点からメモリまでの間で、わざと遅延を発生させている。ある程度キャッシュされると、滑らかにデータを終点に移動させながら、起点からメモリまでの間で発生する遅延を防いでいることになる。つまり、データ転送の遅れは発生しているのだが、それを出来るだけディスプレイで画像や動画を見ている人間には、分からないようにしているだけである。
インターネットの動画の再生などは非常に分かりやすい。最初にある程度読み込んで情報をキャッシュし、先行したキャッシュで再生しながら、残りの情報をダウンロードするという仕組みを利用している。この場合のキャッシュは、VRAMではなくブラウザなどで行われるが、画像を映し出す際の遅延の対応は、ビデオカードのVRAMが行っている。
つまり、この仕組みは、動画などを見るために、データが移動する際の経路中にある記憶領域(VRAMやRAMなど)で、何回かデータがキャッシュされながら、実現しているのである。ゲームなども同じ仕組み。ただ、インターネット動画ではキャッシュが無くなってしまうと、ダウンロードが追いつかなくなり、再生が止まるといった現象が起こるのが欠点だ。
VRAMの容量の確認の仕方
ウィンドウズだと、「システム」から「ディスプレイの詳細設定」、「アダプターのプロパティ」、「アダプターのタブ」、「専用ビデオメモリ」、という順番でクリックしていくと、使用されているビデオカードのVRAM容量が分かるようになっている。
また、「スタート」を右クリックしてから「ファイ名を指定して実行」で「dxdiag」と入力し、表示されたウィンドウのタブで「ディスプレイ」を選択、そして「表示メモリ(VRAM)」という項目の右側が搭載されているグラフィックボードの容量となる。
VRAMの容量のを増設する
フォームファクタがATXやmicroATXなどであれば、グラフィックボードの追加や変更で簡単にVRAM容量をアップできる。ただし、オンボードや最初からつけられているグラフィックボードよりVRAM数値の大きいものでないと意味が無い。VRAM数値が低いと逆に処理速度が遅くなってしまって、本末転倒となる。
尚、ビデオカードはグラフィックボードやグラフィックカード、グラフィックスカード、グラフィックスボードなどと呼ばれることもあるが、どれも同じである。また、RAMには、DRAMとSRAMがあるが、ここでは割愛する。