グラフィックボード
グラフィックボードは、様々な呼び方がある。拡張カードや拡張ボードと呼ばれているものの一種。ビデオカードやビデオボード、グラフィックカード、グラボ、アクセラレータなどとも呼ばれる。ビデオとグラフィックという別々の言葉が使われるため、しばしば混乱を招く。更にグラフィックスという表現までされるため、ややこしい。
メモリにはDRAMだけでなく、VRAMと呼ばれる専用のRAMを用いることもある。これらはフレームバッファに用いられる。
一般に、グラフィックボードは描画に関する性能を高めるためにマザーボード(MB)へ取り付けられる。リアルタイムグラフィックス処理に特化したグラフィックボードのGPUでは、アクセラレータが搭載されている。しかし、ビデオ機能は時代と共にスペックが上昇し、通常の画像ではオンボードのそれとあまり変わらないものとなっている。オンボードとは、マザーボードに最初から取り付けられているビデオ機能のことで、スペックに違いはあれど、グラフィックボードと同じ働きをするものである。
かつてのグラフィックボードはファンレスのものも結構見られたが、次第に小さなファンから大きなファンへと変遷を遂げている。電源も昔は拡張スロット部分のデータをやりとりする金属部から一緒に供給していたが、次第に補助電源を搭載するようになって、電源ユニットからも別コードとして配線されるようになった。ソケットのピン数も時代と共に増えていっている。
グラフィックボードとオンボードのビデオ機能に関しての大きな違いは、動画の画質ではなく、CGなどの動きの滑らかさである。いわゆるフレームレートのこと。フレームレートは、一秒間で画像を何回書き換えたかの回数のことであり、単位は、「fps」。パラパラ漫画を想像したら何となくお分かり頂けると思うが、画像を書き換えた回数が多いほど、動きは滑らかになる。動画の画質は、もともとのビットレートが採用されるため、ほどんど変わらない。
グラフィックボードでは基本的にオンボードより高いfpsに対応している傾向にある。従って、ゲームをする際も大げさなアクションに圧倒的な快適さを味わうことができる。遅いフレームレートはカクカクとした描画をするため、ストレスにもなる。また、映像の機能に関わる処理がCPUからグラフィックボードへ渡されるため、CPUへの負担が減少する。気に入らなければグラフィックボード自体を交換することも可能だ。
このような良いとこ尽くめのグラフィックボードだが、欠点もある。それは一秒間に処理するデータ量が増えるため、他の処理と合わせて電力消費が激しくなる。コンピュータのケース内は熱が籠りやすくなり、排熱処理に気を使わなければならない。また、拡張スロットを一個分占有するだけでなく、グラフィックボードの大きさによっては、他のカードを圧迫しかねない。
ちなみにノートパソコンではグラフィックボードを入れるスペースはないし、入れることもできない。基本的に映像関連への対応はマザーボードに内臓される形になっている。これをオンボードグラフィックという。また、特にゲームやCGを扱わないのであればonboardが「おすすめ」であり、十分であると考えられる。選び方の目安は、動きのある画像を対象にしているかどうかである。
尚、動画が「144fps」のフレームレートである場合、グラフィックボード、ディスプレイのリフレッシュレートは、「144Hz」以上でなければ、その効果を最大限に発揮することは出来ない。これらのレートは必ず一致するものではないが、大抵の場合は一致するため、一応の目安となる。