ハードディスク

ハードディスク(hard disk drive/HDD)とは、パソコン内部でOSアプリケーションなどを保存する記憶装置のことである。

ハードディスクの基本構造と利用のされ方

ハードディスクといえば、CドライブやDドライブなど、物理的な記憶装置のこと。パーティション(パーテーション)で論理分割したドライブは含まない。多くは内臓タイプであるが、外付けも含まれる。記録領域は、セクタで区切られ、クラスタ単位で利用されることが多い。

内部の基本構造は、プラッタと呼ばれる円盤と磁気ヘッドからなり、見た目はかつてのレコードプレーヤーのような形状をしている。プラッタには磁性体が塗布され、ここにはライナーという潤滑被膜がある。ハードディスクの寿命は、この潤滑被膜の寿命によって決まる。寿命による交換は、デスクトップであればそう難しいものではない。フォーマットもOS側からの操作で簡単にできる。

ハードディスクの多くはCにウィンドウズなどのオペレーティングシステム(OS)が入る。加えてここに各種アプリケーションも入るのだが、あえてDなどにアプリケーションを入れる場合もある。また、外付けハードディスクも接続すれば物理的な記憶装置となる。

ハードディスクの歴史

Windows95ぐらいのときのハードディスクは、2GB程度の容量のものが多かった。もっと古い時代はMB単位が普通であった。ウィンドウズXPの時代になると次第に100GB以上のものが出だした。しばらくギガバイト単位でのハードディスクがよく使われたが、ウィンドウズ7の頃になるとXPにおける2TBの壁が問題となった。XP時代からも問題になっていたと思われるが。

2TBの壁はXPの32ビット以前が対象で、それ以降も保存領域としては使えても、起動するためのハードディスクとしては利用できなかった。共に対応したのはVistaの64ビットとWindows7の64ビット以降からである。この2TBの壁は、OSやマザーボードの仕様によるものである。これらがそれぞれ対応していないと、ハードディスクがマウントできない、或いはマウントできても壁を超える領域は認識しなかった。1TBは約1000GB(厳密には1024GB)だ。

ハードディスク接続部の仕様

マザーボードとハードディスクをつなげるインタフェースは、SCSI(スカジー)からATA系のIDE、そしてシリアルATA(SATA)へと変化していった。特にIDEは低コストで製造されたことから暫く標準化されたような形で受け入れられた経緯がある。価格も低価格化し、広く流通した。スカジーに関しては古すぎてほとんど記憶にない。NECから発売されていたかつてのPC-98シリーズで用いられていた。しばらく一定の人気はあったが、Windows3.x系の登場によって、次第に見られなくなった。

SATAは、マザーボードとハードディスクの間で行うデータのやりとりを一本の線で実現した規格のこと。IDEは複数の線を使って並列処理する。何が違うのかと言えば、IDEの並列処理の場合、情報を受け取るタイミングにロスが出るというところ。SATAでは一本の線でデータのやりとりを行うため、確実にデータをキャッチできるようになり、結果として処理が速くなるという訳だ。

はじめからそうしておけば良かった話なのだが、最初は欲張って何本もの線でやったほうが効率が良いと思われていたようだ。後にタイムロスが発見されたような形になっている。

尚、ハードディスクのベンチマークのテストでは、「CrystalDiskMark」というソフトがよく使われる。AHCIで搭載されたNCQ(ネイティブ コマンド キューイング)の機能を持つSATA規格のベンチマークを測定できる。また、USBでマウントさせれば他のHDDやSSDでも可能。ホットスワップに対応させる周辺機器もある。その他、バルク品はだんだん少なくなっている。

ハードディスクの意味を簡潔に説明すると

パソコン内部の主記憶装置のこと。